「コーディネーショントレーニングって、そもそも何をするもの?」
子どもの習い事を探していると、「コーディネーショントレーニング」という言葉を目にすることがあります。
運動に関係するものだということは何となく分かっても、
- 「普通の運動や体操とは何が違うの?」
- 「小さい子どもにも必要なの?」
- 「うちの子は運動が苦手だけど大丈夫?」
と、少し分かりにくく感じる方も多いのではないでしょうか。
コーディネーショントレーニングは、難しい技を身につけるためだけの運動ではありません。
たとえば、走っている途中で止まる、飛んできたボールをよける、音に合わせて動く、片足でバランスをとるなど、「見て、考えて、体を動かす」経験を重ねることが大切になります。
misako幼児期は、これからさまざまな運動を覚えていく時期です。
だからこそ、特定のスポーツだけを練習するのではなく、いろいろな動きを楽しみながら経験しておくことには大きな意味があります。
この記事では、コーディネーショントレーニングとは何なのか、幼児にどのようなメリットがあるのか、具体的にはどんな運動をするのかを、子育て中の保護者の方にも分かりやすく解説します。
コーディネーショントレーニングとは?
コーディネーショントレーニングとは、自分の体を思い通りに動かすための力を身につけていく運動です。
少し難しく聞こえるかもしれませんが、特別なトレーニングをするという意味ではありません。
たとえば、
- ボールを見て手を出す
- 走りながら方向を変える
- 合図を聞いて止まる
- ジャンプして着地する
- 片足で立つ
- 動いているものをよける
- 音楽に合わせて体を動かす
こうした動きも、コーディネーショントレーニングにつながります。
「体を動かす」だけではなく「考えながら動く」
コーディネーショントレーニングで大切なのは、ただ筋肉を動かすことではありません。
- 「ボールが来た」
- 「手を出そう」
- 「このくらいの強さで受けよう」
というように、目や耳から入った情報をもとに、体を動かす経験を積んでいきます。
幼児の場合は、こうしたことを難しく教える必要はありません。
- 「先生の動きをまねしてみよう」
- 「赤いところまで走ってみよう」
- 「ボールが来たらキャッチしてみよう」
といった遊びの中で、自然に経験していくことができます。
幼児期にコーディネーショントレーニングが大切なのはなぜ?
幼児期の子どもは、毎日の遊びを通して少しずつ自分の体の使い方を覚えていきます。
最初から上手に走ったり、ボールを投げたりできるわけではありません。
転んだり、失敗したり、やり方を変えたりしながら、「こうすると動きやすい」という感覚を身につけていきます。
子どもは「動き方」を経験しながら覚えていく
大人から見ると簡単そうな動きでも、子どもにとっては意外と複雑です。
たとえばボールをキャッチするだけでも、
- 「ボールを見る」
- 「ボールの動きを予測する」
- 「手を動かす」
- 「手を開く」
- 「ボールを受け止める」
という複数の動きを同時に行っています。
だからこそ、幼児期には一つの運動を繰り返すだけでなく、さまざまな動きを経験することが大切です。
「運動が得意な子」だけのものではない
「うちの子は運動が苦手だから、コーディネーショントレーニングには向いていないかも」
そう思う必要はありません。
むしろ、運動に苦手意識が出てくる前の幼児期だからこそ、できる・できないよりも、まず体を動かすことを楽しむ経験が大切です。
最初はうまくできなくても、
- 「やってみた」
- 「前より少しできた」
という経験が積み重なることで、体を動かすことへの抵抗感も少なくなっていきます。
コーディネーショントレーニングで身につく力
コーディネーショントレーニングでは、単純に「足が速くなる」「ジャンプが上手になる」ということだけを目指すわけではありません。



さまざまな動きを経験することで、日常の運動にもつながるいくつかの力を育てていきます。
体のバランスをとる力
片足で立ったり、線の上を歩いたり、ジャンプして着地したり。
こうした動きでは、体が傾いたときに自分で姿勢を調整する必要があります。
幼児期には、遊具や鬼ごっこなどでも自然とバランスをとる経験があります。
教室では、こうした動きを遊びとして取り入れることで、楽しみながら体の使い方を覚えていきます。
体を思い通りに動かす力
- 「右に行きたい」と思ったら右へ動く。
- 「止まって」と言われたら止まる。
- 「ジャンプして」と言われたら跳ぶ。
当たり前のように感じますが、子どもにとっては自分の頭で考えたことを体の動きにつなげる大切な経験です。
いろいろな動きを経験していくことで、自分の体を扱う感覚が少しずつ身についていきます。
周りを見ながら動く力
公園や幼稚園などで遊んでいると、子どもは自分だけでなく、周りにいる友達や物の位置も見ながら動く必要があります。
- 「友達がいるからこっちへ行こう」
- 「ボールが飛んできたから避けよう」
というように、周りの状況を見て動く経験も、コーディネーショントレーニングの一つです。
これはスポーツだけでなく、普段の遊びにもつながる力です。
リズムに合わせて動く力
音楽に合わせて歩いたり、ジャンプしたり、先生の動きをまねしたりすることも、コーディネーション能力を使います。
一定のリズムで動くだけでなく、
- 「音が止まったら止まる」
- 「速くなったら速く動く」
といった変化に合わせることで、聞いた情報を体の動きにつなげる経験になります。
幼児向けのコーディネーショントレーニングにはどんなものがある?
「実際には何をするの?」というところが気になる方も多いでしょう。
幼児向けの場合、難しい器具や本格的なスポーツを使う必要はありません。
遊びの中にさまざまな動きを取り入れることができます。
① ジャンプ遊び
床に置いた目印を飛び越えたり、両足でジャンプしたりします。
慣れてきたら、
- 「前に跳ぶ」
- 「横に跳ぶ」
- 「先生の合図で跳ぶ」
など、少しずつ変化を加えます。
同じジャンプでも条件が変わることで、子どもはその場に合わせて体の動かし方を考えるようになります。
② ボール遊び
ボールを転がす、投げる、受ける、蹴る。
ボール遊びには、さまざまな体の動きが含まれています。
最初からキャッチを目指す必要はありません。
- 「転がってきたボールを止めてみる」
- 「先生にボールを転がしてみる」
といった簡単な遊びから始めることもできます。
③ まねっこ遊び
先生や友達の動きをまねする遊びも、幼児には取り入れやすい方法です。
- 「しゃがむ」
- 「手を上げる」
- 「歩く」
- 「ジャンプする」
など、簡単な動きから始められます。
まねをしながら動くことで、見ることと体を動かすことを一緒に経験できます。
④ 合図で動きを変える遊び
「走る」「止まる」「しゃがむ」など、先生の合図に合わせて動きを変えます。
同じ動きを続けるだけではなく、途中でルールが変わることで、子どもは周りの状況を聞きながら動くことになります。
ゲーム感覚でできるので、運動が苦手な子でも取り組みやすい遊びです。
⑤ 障害物を使った遊び
マットやフープ、平均台などを使って、
- 「またぐ」
- 「くぐる」
- 「渡る」
- 「跳び越える」
といった動きを経験します。
一つひとつの動きはシンプルでも、順番に組み合わせることで、子どもは次の動きを考えながら体を動かすことになります。
コーディネーショントレーニングと体操教室は何が違う?
「体操教室でも同じようなことをしているのでは?」
と感じる方もいると思います。
実際、その通りです。
幼児向けの体操教室では、マット運動や跳び箱、鉄棒などを行うだけでなく、コーディネーション能力につながる遊びを取り入れている教室もあります。
体操教室では「技術」と「動き」を一緒に経験できる
たとえば前転を練習する場合でも、
- 「手をつく」
- 「体を丸める」
- 「転がる」
- 「立ち上がる」
という一連の動きが必要です。
さらに、走る・跳ぶ・投げる・バランスをとるなど、さまざまな運動を経験することで、特定の技だけではなく体全体の使い方を学んでいきます。
そのため、幼児の習い事として体操教室を選ぶ場合は、
技を何個できるようにするかだけでなく、どのような動きを経験できるかを見ることも大切です。
コーディネーショントレーニングは何歳から始める?
幼児向けの運動であれば、年齢に合わせて内容を調整することが大切です。
たとえば3歳前後なら、走る・跳ぶ・くぐる・まねをするなど、シンプルな動きを中心にします。
4〜5歳頃になると、複数の動きを組み合わせたり、合図に合わせて動きを変えたりする遊びも取り入れやすくなります。
年齢よりも「楽しんで動けること」が大切
コーディネーショントレーニングという言葉から、「早く始めたほうがいい」と考えてしまうかもしれません。
でも、幼児期の運動で何より大切なのは、子どもが「体を動かすのって楽しい」と感じられることです。
できない動きを何度も練習させるより、
- 「もう一回やりたい」
- 「次はこうしてみたい」
と思える環境のほうが、長く運動を続けるきっかけになります。
コーディネーショントレーニングを習い事に取り入れるときのポイント
コーディネーショントレーニングを目的に、幼児の習い事を探している場合は、名前だけで教室を判断しないことも大切です。



同じ「運動教室」「体操教室」でも、レッスン内容や考え方はそれぞれ違います。
子どもがいろいろな動きを経験できるか
まず見ておきたいのが、運動の種類です。
走るだけ、跳ぶだけではなく、
- 走る
- 跳ぶ
- 投げる
- 蹴る
- くぐる
- バランスをとる
- 方向を変える
など、さまざまな動きが含まれているかを確認してみましょう。
「できる子」に合わせた内容になっていないか
幼児は成長のスピードに個人差があります。
同じ年齢でも、走ることが得意な子もいれば、慎重に動く子もいます。
良い教室かどうかを見るときには、上手な子だけが楽しめる内容になっていないかも大切です。
「できないから次へ進めない」のではなく、その子なりのやり方で参加できる環境があると安心です。
子どもが楽しそうに参加しているか
体験教室に参加できるなら、ぜひ子どもの表情を見てみてください。
- 「上手にできたか」だけでなく、
- 「先生の話を聞いているか」
- 「自分から動いているか」
- 「もう一回やりたそうにしているか」
といったところも見てみましょう。
幼児期は、技術を急いで身につけることよりも、運動を好きになることが、その後の大きな土台になります。
こんな子にはコーディネーショントレーニングを取り入れた運動教室がおすすめ
コーディネーショントレーニングは、運動が得意な子だけに必要なものではありません。
「うちの子、外遊びが少なくなった」と感じる
以前より外で遊ぶ時間が減り、家の中で過ごすことが増えた。
そんな場合には、教室で体を動かす時間をつくることが一つの方法になります。
「運動がちょっと苦手かも」と感じる
走ることやボール遊びがあまり得意ではない子もいます。
だからといって、運動が向いていないとは限りません。
いろいろな動きを遊びながら経験することで、「体を動かすことは楽しい」という感覚を持てるようになることがあります。
「小学校に入る前に、いろいろな運動を経験させたい」
特定のスポーツを決める前に、まずは幅広い運動を経験させたい。
そんな家庭にも、コーディネーショントレーニングを取り入れた運動教室は選択肢になります。
コーディネーショントレーニングの習い事を選ぶときに大切なこと
習い事を選ぶとき、「どんな効果があるか」はもちろん気になります。
ただ、幼児の場合はそれだけで決めないことも大切です。
一番見てほしいのは、子どもが無理なく続けられる環境かどうかです。
- 先生が子どもの年齢や発達に合わせて声をかけているか。
- 失敗したときに急かされないか。
- できたことをきちんと認めてもらえるか。
そして何より、子ども自身が「また行きたい」と思えるか。
この部分は、ホームページだけでは分からないこともあります。
だからこそ、可能であれば体験レッスンに参加して、実際の雰囲気を見てみることをおすすめします。
まとめ|幼児期は「上手にできる」より「いろいろな動きを楽しむ」ことから
コーディネーショントレーニングとは、簡単にいえば、見たり聞いたりした情報をもとに、自分の体を上手に動かす経験を重ねていく運動です。
走る、跳ぶ、投げる、よける、バランスをとる、まねをする。
こうした一つひとつの経験が、子どもの体の使い方につながっていきます。



特別なトレーニングをしなければ身につかないものではありません。
幼児期には、遊びの中でたくさん体を動かし、「やってみる」「失敗する」「もう一度やってみる」という経験を重ねることが大切です。
もし幼児の習い事として運動教室や体操教室を検討しているなら、単純に「鉄棒ができるようになる」「跳び箱が跳べるようになる」という結果だけを見るのではなく、
「この教室では、子どもがどんな動きを経験できるのか」という視点で見てみてください。
そして、何より大切なのは、子どもが楽しそうに体を動かしていること。
「できるようになったから楽しい」だけではなく、「楽しいからやってみる。そのうち、できることが増えていく」。
幼児期の運動は、そんな順番でもいいのではないでしょうか。
コーディネーショントレーニングを取り入れた運動教室は、子どもがこれからさまざまなスポーツや遊びに挑戦していくための、最初の一歩として考えてみてもよい習い事です。
参考文献
「コーディネーション運動が幼児のコーディネーション能力と心理状態に及ぼす効果」






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